人間は知らなくてもいいようなものまで知り過ぎてしまったのかもしれない。知らないでいたらそれなりに幸せでいられたはずなのに。自ら創り出してしまった苦難の海に溺れかけると、また必死に何かにすがり、もがきはじめる。その繰り返しであるのかも。大地はどこまでも果てし無く続いていて、水平線はどこまでも水平に伸び拡がっているはずだった頃に、海に架かる虹の彼方を夢想してちょっぴり甘酸っぱかった頃に。なぎさに寄せては返す千波万波はどこから来てどこに帰っていくのか、なんにも知らないでいたあの頃に帰ってみたい。そして無垢な仔猫みたいに日がなぼんやり青海原を眺めていたい。
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プロフィール 乃村 豊和 [Nomura Toyokazu]
画家。(社) 春陽会正会員。日本芸術協会審査顧問。レザン乃会主宰。1949年愛知県出身。人物画を中心に多彩なジャンルで油彩水彩・デッサン・墨画などの個展多数。1998年ロサンゼルスに家族と移住以来、年数度、日米間を往復しながら制作活動中。
nomuraart0008@hotmail.co.jp |
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