サイト内検索:
 


アイデア枯渇のハリウッド、海外市場が頼みの綱?
アカデミー賞ノミネーションが発表となって、アメリカ国内で昨年公開された映画を対象とする一連の主要な授賞式イベントは、今月26日のノキア劇場でのアカデミー賞授賞式を残すだけとなりましたが、今回は例年以上に国際的なものとなる見通しです。それというのも、従来ハリウッド映画界にとっては海外市場は「余録」的なものだったのが、このところ、不可欠なマーケットとして重視せざるをえないという転機に直面しているからです。これは、アメリカ国内での映画産業の伸びが頭打ちで、今後とも大幅な拡大が望めないという見通しがあるためで、映画製作大手各社は海外市場の開拓に本腰を入れつつあります。

ハリウッド国際化の兆しは、1月15日のゴールデングローブ授賞式翌日のロサンゼルス・タイムズ紙記事の見出しにうかがえます。ミュージカル・コメディー映画部門で作品賞や主演男優賞など最多の3タイトルを獲得したフランス製作の無声映画「アーティスト」のほか、海外に題材をとったスティーブン・スピルバーグ監督の3Dアニメ「タンタンの冒険 ユニコーン号の秘密」(アニメ賞)、マーティン・スコセッシ監督の「ヒューゴの不思議な発明」(ドラマ映画監督賞)、ウディ・アレン監督の「ミッドナイト・イン・パリ」(脚本賞)などが受賞したことを受けて、「外国語のアクセント」「大部分が国際的な映画」「グローバル趣味が横溢」といった見出しが躍っていたのは、例年とは一味違ったテーマを取り上げた海外市場を意識した映画が受賞したことの目新しさに注目したからでしょう。

このところハリウッドでは「グローバル化」がキーワードになっているようです。アメリカの映画産業は創成期以来、俳優や監督、装置といった多方面の映画製作関係の部門でヨーロッパから数多くの人材を誘致、起用してきましたが、製作する映画は基本的には米国内市場向けで、外国市場についてはほとんど勘定には入っていなかったといえます。たしかに海外を舞台にしたり、海外ロケ映画はあったものの、それはあくまでもアメリカ向けを意識した映画で、海外への売り込むことを念頭に製作するという姿勢はありませんでした。たとえば第2次世界大戦以後、数多くの日本絡みの映画が製作されてきましたが、その大部分はアメリカの映画観客のエキゾティック趣味を満たすことが最優先で、日本のことを正確に描写するとか、日本市場でのヒットを狙って綿密な市場調査をするといった戦略的な考え方は希薄だっといえます。

しかし近年、アメリカ国内市場の伸びが頭打ちとなりつつあることが明白になったことから、ハリウッドの大手各社は綿密な海外戦略に取り組むようになっています。国内市場に期待を寄せることができないという状況は、ここ数年の興行成績や観客動員数といった統計をいちべつするだけで分かります。昨年の場合も例外ではなく、映画界の有力ネットサイトであるハリウッド・コムの集計によると、2011年の北米(米国とカナダ)市場での映画興行収入は102億2000ドルで、前年の106億ドルに比べて3・4%の減少でした。3DやIMAXといった方式での映画が増えたこともあって入場料は値上がりの一途をたどっているにもかかわらず、収入減というのは、映画界にとって憂慮すべき事態でしょう。当然ながら観客動員数も累計で12億8000万人と前年比4・2%の減少で、実に1995年以来の低水準にとどまりました。過去最高を記録した2002年の16億人以降、徐々に減少するという趨勢には歯止めがかからないようです。

昨年も、メモリアルデー、感謝祭、クリスマスシーズンといった節目にさまざまな超大作が公開されたものの、全般的に低調だった背景としては、
?入場料の値上がり?景気低迷の影響?シリーズ物が多く、新鮮さを欠いている?映画界が頼りにする観客層である若者世代が、ソーシャルネットワーキングやゲームなどの携帯ガジェットに熱中している、といった指摘が目立ちます。とくにシリーズ物の氾濫は、興行収入ベストテンのリストを見れば一目瞭然です。トップの「ハリー・ポッターと死の秘宝Part II」以下、「トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン」「トワイライト・サーガ/ブレイキング・ドーン Part 1」「ハングオーバー!! 史上最悪の二日酔い、国境を越える」「パイレーツ・オブ・カリビアン/生命(いのち)の泉」などなど、実に7作品がシリーズ物が占めています。いずれも、それなりの成績をあげており、映画会社にとってはリスクが比較的少ないため、相次ぐ続編に執着しているようです。そしてシリーズ物の“延命策”として、シリーズ最後の部分を二分割して、「Part1」「Part2」といった具合に2作品に仕上げて公開するという有様です。今年も「ダークナイト・ライジング」(バットマン3部作最終編)「メン・イン・ブラック3」「アメイジンズ・スパイダーマン」といった作品が目白押しで、「ハリウッドの想像力欠如は度し難い」という指摘も珍しくなくなってきました。

そんな中で、ハリウッド映画の新たな市場として、従来からの主要市場だったヨーロッパや日本に加えて、ここ数年爆発的に拡大を続けるロシア、中国、ブラジルといった国々を中心とした海外市場へ目を向ける動きが加速しています。海外での興行収入はうなぎのぼりに伸びており、昨年のケースでは、「ハリー・ポッター」「パイレーツ・オブ・カリビアン」「カンフー・パンダ」といった作品は、海外収入が全体の70%を占めています。スピルバーグ監督がピーター・ジャクソン監督と共同プロデュースした「タンタンの冒険」は、年初現在ではアメリカ国内では5000万ドルと、トップ10にも入らないほど低調な興行収入にとどまっていますが、海外市場2億5000万ドルを突破する大ヒットとなっています。

構想当初から海外市場を重視した戦略で製作を進めるという点では、「ミッション・インポッシブル」第4作の「ゴースト・プロトコール」が典型的なケースです。海外の観客を意識して、ロシア、インド、アラブ首長国連邦といった国々で現地ロケを行い、クライマックスではドバイの世界1の超高層ビル・ブルジュ・ハリファが舞台となるといった話題作りで、ワールド・プレミアもドバイという念の入れ方です。そして極めつけは、主役のトム・クルーズによる世界11カ国ワールドツアーで前景気を煽るという戦略は、現在ハリウッドでグローバル化をもっとも積極的に推進するパラマウントらしいものといえます。同社は2007年の時点では米国内と海外での興行収入がそれぞれ15億ドル、16億ドルと拮抗していたのですが、昨年は海外市場が32億ドルに達し、国内は19億ドルにとどまっているというのは、今後のハリウッド映画界全体の先行きを示唆するものといえるでしょう。



iPhone,
BlackBerry,
でも検索可能

名前検索(英のみ)
By Name
カテゴリ・キーワード検索(英・日対応)
By Category/Keyword


例:車(auto)、銀行(bank)、美容(Beauty)、本屋(Book Store)
 

クラシファイド週末お出かけ情報HELP!! 法律相談サッカー
会社概要お問い合わせプライバシーポリシー利用規約広告掲載について

Copyright (C) 2017 Bridge USA All Rights Reserved.